ＣＯＳＭＯＳ（コスモス

５メートルほどの支柱の上には、シルバーのフレームを複雑に組み合わせた造形物が風を受けて動く。さながら「地球ゴマ」のように。
　東京・銀座４丁目にあるミキモト銀座本店前に設置された彫刻家、西野康造の「ＣＯＳＭＯＳ（コスモス）」だ。作者はビルの谷間の小さな空間を宇宙に見立て、銀河のように表現した。大都会のビルの間でひそやかに動く彫刻。チタン合金で重量はわずか５キログラム。強風では鈍く、その半面、微風には敏感に反応して揺らぐ。猛暑の中でも穏やかに動く様はいかにも涼しそう。軽やかで、天気の具合によっては空に溶け込んで消えてしまう。
　西野は昭和２６年生まれ。京都市立芸術大学で彫刻を学んだ。主に風で動く彫刻を制作し、個展などで発表している。公立美術館でのコレクションも多い。
　この場所はクリスマス・シーズンには巨大なツリーが立つので有名だが、それ以外はさまざまなアートが期間限定で展示され、銀座を歩く人の目を楽しませている。蒸し暑い日が続く東京で、アートによって涼しい気分を味わうのもいい。展示は９月１５日まで。（和）