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 かたわらで無邪気に笑う小学生の孫を見て「私が死んだらこの子はどうなるのだろう」と感じたのがきっかけだったと、著者の内田麟太郎さん(68)は語る。還暦をすぎ、死を何となく意識し始めたある日のこと。「私たちの仲が良すぎただけに、そして優しい孫だけに、悲しむだろう、救わなくちゃいけないと思いました」
 近くで暮らす孫の育ちを、ずっと見守ってきたという内田さん。週に1度、妻と娘が生け花教室に通う日は、多摩川の公園で遊んだり、本屋へ行ったり。不二家で気に入りの菓子を買ったこともあった。生後間もないころは、小さな体を湯に浮かべてガーゼの布で洗った。産んだ娘より、子育て経験豊富な妻より、安定感があってうまかったという。
 祖父から孫へ連綿と続く命を伝える本書は、こうした経験に裏打ちされている。「胸の中で高まったものがすーっと出て行く感じ」で、初稿がほぼ完成稿だったという。
 詩のような本文を、パステルで丁寧に描き起こしたのは、たかすかずみさん。その出来は「内田さんも驚くほど」(編集者の島岡理恵子さん)だった。表紙は、かなたにかかる虹を、傘を掲げた2人が見上げている。背表紙には、よく使い込まれた木の椅子(いす)がひとつ。余韻を残す絵が本文の筆致と合っている。
 幼年、少年、青年、壮年。穏やかな時の流れに、祖父母を失った子供だけでなく、親や配偶者をなくした人へ贈られるなど、幅広い世代に受け入れられている。
 《なくなったものは だれも いきているものの しあわせをいのっている ただそれだけを》
 内田さんの孫はいま中学3年生。遠いいつの日か、内田さんがこの世を去ったときに、家族が手渡す予定だという。(岩崎書店・1365円)
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